2013年05月22日

アルコールの脱水作用

 最近、思うところがあってアルコールの脱水作用について調べて
みました。

 なぜアルコールを飲むと脱水作用が起こるのかということですが、
これはアルコールが脳に作用して、もともと脳から出ていて腎臓へ
はたらきかけ、尿の量を調整させている抗利尿ホルモンの分泌を
抑えてしまうからなのだそうです。

 カフェインにも同じような利尿作用があるようですが、アルコール、
特にビールは、他のお酒に比べても利尿作用が高く、汗をかいた
後のビールは、飲むと水分が補給されたように感じますが、実は、
その結果、摂取した水分量よりも尿として体の外へ出ていく水分量
の方が多くなるということになります。

 汗をかいた分だけ体内は脱水状態になっているので、その分しっ
かりと水分補給をしなければならないのに、ビールを飲んでしまった
ら、もっと脱水状態がひどくなってしまい、ますますビールを飲みたく
なってしまうという事態を招く結果となります。

 そして、飲酒によるアルコールの脱水作用により、脳の細胞に含ま
れている水分が少なくなって脳細胞が縮んでしまうことにより、頭痛
を引き起こすことにもなります。

 もちろんこの脱水作用は脳だけでなく、全身の細胞でも起こる現象
なので、体内の水分量の減少によってナトリウムやカリウムの濃度が
上がり、逆にカルシウムやマグネシウム、亜鉛などが体外に排出され
て不足することになります。
 

 でも摂取した水分のすべてが尿として排出されてしまうのではなく
アルコールを飲んで血中のアルコール濃度が高くなると、人の体は
その濃度を薄めようと血液中に水分を取り込もうとするため、その時
に必要以上の水分を取り込むと、今度は水分が血管からしみ出て、
体のむくみを起こします。

 また、飲酒によって低血糖が起こるので、これを補うために肝臓や
筋肉に蓄積されているグリコーゲンやアミノ酸が使われ、タンパク質
を構成する体内のアミノ酸も減ってしまいます。

 さらに、大量のビタミンB1が奪われることで、ビタミン不足にもなり、
体内でこういった現象が起こることで、頭痛や吐き気、めまい、食欲
不振、倦怠感などが生まれます。

 そのほか、カルシウム、マグネシウム、亜鉛など、体の調整に必要
なミネラルが尿と一緒に体外へ出てしまい、疲労感や脱力感を生み、
二日酔いは、アセトアルデヒドやその酸化物の毒性、アルコールの
脱水作用、エネルギー不足、体液の酸性化、低血糖などが複合して
起きます。

 これがアルコールの脱水作用によって主として引き起こされるいわ
ゆる二日酔いといわれるもののメカニズムです。

 二日酔いには柿がいちばんよいそうですが、その理由については、
またの機会にしましょう。

 では、また。

Posted by 富田昭生 at 18:26│Comments(0)
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