2009年03月25日

キャノンの三自精神

 以前にも紹介した、キャノン電子社長 酒巻 久氏の本の中に、キャノン伝統の
「三自の精神」と題してこんなことが書いてありました。

 「三自とは「自覚、自発、自治」のことで、「社員は自分の立場や役割を自覚し、
何事も進んで行動し、自分のことは自分で管理すべし」という意味である。
 それは一言で言えば、「自分で考えてやりなさい」ということだ。
 そこにあるのは、「基本は自己啓発であり、仕事の場こそが育成の場である」、
という根本思想だ。自ら求めて成長したいという意欲がないところに教育の入り
込む余地はないし、机上の10のシミュレーションより、一つの現場を実践するほう
がはるかに勉強になる。」(166ページ)

 そのほか、キャノン電子の昇進のための九つの条件とは、

 「?対人関係に優れ、?まとめる力があり、?組織全体の使命のために献身し、
?チームで働くことができ、?コーチを務め、?反省し、?他人の意見を受け入れ、
?かつ意見を言い、?社員の努力を助ける」ということであり、さらにリーダーに
必要な三つの資質としては、

 「?自己犠牲の精神をもっている

 リーダーには自己犠牲の精神が絶対に欠かせない。
 たとえば、組織として何かを達成しようと思えば、部下の気持ちを一つに束ね上げ
て大きなエネルギーを作り出す必要がある。そのために代償が必要であれば、率先し
てリーダーが払わなければならない。その勇気を示すことによって、初めて部下の信頼
が得られるのだ。
 この自己犠牲の精神なくして、職場の改革改善など遂行できるはずがない。リーダー
が自ら犠牲を払ってこそ、部下も進んで組織のために貢献するようになるのだ。
 自分を犠牲にして社員のため、会社のために100パーセント尽せない人間にリーダー
となる資格はない。

  ?問題の抽出能力に優れている
 新入社員のプロとしての心得のところでも述べたことだが、問題の抽出能力に優れて
いることは、リーダーとしての必須の要件である。
 それはつまり、一見するといつもと変わらぬ安定した状態のなかに異変の兆候を察知す
る能力である。変化を読み取る高感度のセンサーの持ち主と言い換えてもいい。

  ?自分の弱点を知っている
 自分の得手不得手を知ることも経営者の重要な資質である。たとえば、いまは亡き本田
宗一郎さんは根っからの技術屋さんで、経理などはあまり得意ではなかった。本田さんは
そのことをよく自覚していたからこそ、そうした不得手な面は有能な輔弼(ほひつ)役、藤沢
武夫さんにサポートを託した。」(235〜238ページ)ということだそうです。

 特にわたしは、自己犠牲の精神と問題の抽出能力、つまり問題発見能力や質問力など
が重要だと思います。

 これは、その人の感性やセンスといったようなことにも大いに関係するものだと思います。


 では、また。
  

Posted by 富田昭生 at 13:16Comments(1)

2009年03月24日

第三回GR大賞展表彰式

 本日、10時から、第三回ガレリア・レイノ大賞展の表彰式を
当社二階の画廊でおこないます。

 この展覧会は、もともと当社の若い社員からの発案で企画い
たしましたもので、わたしども画材や額縁などを扱っております
画材店として、日頃お世話になっております作家のみなさま方
の美術活動を、少しでも応援させていただこうという願いで、さ
さやかながら、当社が主催しておこなうものです。

 作品の出品についての資格や、作品テーマなども一切限定
しない自由なものとして、幅広く応募していただけるようにして
おります。

 また出品規格については6号から10号までの小品とし、でき
るだけ、ご応募いただくのに費用などのご負担が少なくなるよう
に考えております。

 大賞1点は、賞金30万円で作品を当社で買い上げさせていた
だくこととしており、これも作家の方の作品の販売に少しでも結び
つくようにと願ってのことでございます。

 そのほか、入賞作品に対しては、当社で取り扱っている画材や
額縁のメーカー各社の協賛により、メーカー賞を11点もうけており
ます。

 期間中会場に展示する入賞、入選作品は第三回の今回は総数
で65点となり、前回の61点を4点上回っております。

 応募作品数は、第一回が194点、第二回が242点、第三回の
今年は、228点で昨年を少し下回っておりますが、応募作品の質
の面ではレベルが一段と高くなっているように感じています。

 今回の大賞は兵庫県から応募された、六鹿 泰(むつが やすし)
さんの「街」と題した作品に決まりました。


 審査については、広島大学名誉教授の難波平人先生、周南美術
博物館館長・美術評論家の森川紘一郎先生、広島市立大学芸術
学部教授の吉井 章先生のお三方に、第一回から引き続き、今回も
厳正なる審査をしていただきました。

 協賛企業は、ラーソンジュールニッポン?、?同志舎、?オリジン、
?コーパン殿などの額縁メーカー各社と?名村大成堂、ホルベイン工業
?、ホルベイン画材?、バニーコルアート?、ターナー色彩?、マルマン
?、?クサカベ殿などの画材メーカー各社で、それぞれの製品を賞品とし
て贈呈していただいております。

 このように多くの方々のご協力により、このガレリア・レイノ大賞展の
第三回を迎えることができまして、心から感謝申し上げます。

 引き続き第四回、第五回と回を重ねていくことができますよう、今後とも
よろしくお願い申し上げますとともに、今回も一段と見ごたえのある、それ
ぞれのみなさまの個性あふれるこのすばらしい作品の数々を、多くのみな
さまにぜひ、ゆっくりとご覧いただきたいと願っております。

 3月24日(火曜日)から31日(火曜日)までの開催です。

 広島市中区大手町中電本社前のガレリア・レイノへ、ぜひお越しください。

 お待ちしております。  

Posted by 富田昭生 at 08:33Comments(0)

2009年03月23日

ハナタレ小僧の春山登山


 先週の土曜日(3月21日)安佐北区狩留家の高鉢山705.8Mと三田槍763Mに
レイノアートスクールの登山講座の仲間と一緒に登ってきました。


 わたしは、れっきとした「花粉症」なので、スギ花粉絶好調のこの季節はかなり大変
なのですが、それでも午前中はなんとかなっていました。しかしながら、午後に入って
からは、くしゃみが連発、ハナミズたれながし状態となってしまいました。


 天気にもめぐまれ、快晴で温かく、風もあって、大変さわやかな日和で、花粉の飛散
にはうってつけの日でした。

 頂上からは目の前に白木山が見えます。












 これが360度の展望のある三田槍の頂上です。むかしは、高鉢山同様、木が生い茂って
展望はまったくなかったようですが、いまはこのように木が切ってあるので展望がよくなって
います。


 しかし、頂上のこの木などは水が不足するようになったためか、枯れてしまっています。













 これが登山口なのですが、大変ささやかな登山口の表示がありました。
よほどよく見ないと見過ごしてしまいそうになります。













 この手にもっているのがその表示です。



 わりと近くにある山で、標高もそんなに高くはないので、少し甘く見ていましたが、
急傾斜の続く地獄のような直登の登りでした。


 そして、登山道には倒木がたくさんありました。









































 その倒木を登山講座講師(山案内人)の原田先生がどんどん切りながら進んで
いきます。



























 先生の腰には登山用の携帯式ノコとハサミが用意してあります。このノコの切れ味が
いいのか、先生のウデがいいのか、あっという間に倒木が切られて道が整備されていき
ます。


 始めの登りは急傾斜の直登で、地獄のような厳しさでした。














 しかし、稜線に上がると、山腹の急斜面とはうって変わって、静かな林の中のなだらかな
道が続き、さながら天国のようなさわやかさです。



 下りには、アイゼンをつけて下りました。








 次回は、4月25日(第四土曜日)、広島県高野町の山、「大万木山}1218Mへ登ります。

 ブナ林の山で、広葉樹の中でも最高のブナの天然林の美しい、「森の魅力」を楽しみましょう。

 集合は、いつものように、JR可部線大町駅前広場で、午前7時30分の集合です。

 参加料金は、1回券3000円、そのほか相乗りの自動車の高速代とガソリン代の頭割り負担
があります。

 お申込は、当社登山講座担当の大田までお気軽にどうぞ。

 ファクス 082−245−7838 または 電話 082−245−2305 です。

 では、また。 
  

Posted by 富田昭生 at 13:06Comments(0)

2009年03月19日

年収300万以下が4割

 日本では、年収300万円以下の人が、38.8%になっているそうです。

 約4割の人が年収300万円以下ということですが、年収300万円といえ
ば、賞与等の一時金なしで税込の月収が25万円以下ということになります。

 さらに、年収200万円以下の人もすでに1000万人を超えているそうです。

 平均所得の半分以下の所得の人を貧困者とすれば、アメリカは17%で、
日本は約16%がこれにあてはまるそうです。80年代の日本には、10%し
かいなかったのに、どんどん貧困者が増えているというのが日本の現状の
ようです。

 このような事態に対して、政治が、今こそしっかりしてもらわないといけない
わけですが、みなさんご承知のように大変残念な状況です。

 一刻も早く選挙をして、国民の要望を実現できる政治家を選ばなければなら
ないと思いますが、いかがでしょうか。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 18:51Comments(0)

2009年03月19日

メールバカ

 以前紹介した、「椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!」には、
「メールバカが会社を潰す」と題して、こんなことが書いてあります。

 「コミュニケーション不足は、技術や経験の伝承を難しくするだけ
ではない。結果として不良を発生させ、会社利益を著しく損なうお
それがある。

 こうした事態を回避するには対人コミュニケーションの回数を増や
し、これまで以上に意思の疎通をはかることである。そのためには
極力メールは使わないほうがいい。

 そもそもメールというのは、自分の伝えたいことのせいぜい10%
程度しか伝えられない。対面していれば、声のトーンや顔の表情、
身振り手振りなどで言葉以上の情報を伝達できるが、メールではそ
うした情報はいっさい‘添付不可能‘である。

 しかも日本語は、読点の打ち方一つで意味が変わってしまうこと
もあるからやっかいだ。

 たとえば、次の四つの文を見てほしい。

 ?男は泣きながら歩き出した女の背中に声をかけた。

 ?男は、泣きながら歩き出した女の背中に声をかけた。

 ?男は泣きながら、歩き出した女の背中に声をかけた。

 ?男は、泣きながら、歩き出した女の背中に声をかけた。

 さて、泣いているのは誰か? ?から?、それぞれの文章の答え
は、?=男か女かわからない、?=女、?=男、?=男か女かわ
からない、である。」

 「メールバカにつける薬」と題して、メールの実態を調べてみた
結果について書いてあります。

 ・後ろの席の同僚にメールを送るバカ

 ・メール作成に30分かけるバカ

 ・社内の彼女にラブメールを送るバカ

 ・確認のメールに絵文字を入れるバカ

 ・無用な画像を添付するバカ

 といったバカがかなりいたそうです。

 そこで、「この事実を知った私は、すぐに「なるべくメールは使うな」
と訴えた。

 「話があるなら電話を使いなさい。近くにいるなら直接会って話し
なさい。そうやって対人コミュニケーションの回数を増やして、意思
の疎通をはかって下さい。」

 そして、ムダメールの象徴である「同じフロアでのメールのやり取り」
(ワン・フロアメール)を全面禁止にした。用があるなら直接話に行けば
いい。それだけのことである。

 このワンフロア・メールの禁止に違反した場合は降格のペナルティが
待っている。

 アホメールを一掃するには、ルールと罰則を作るに限る。それがメール
バカにつける一番の薬である。」

 ・・・とのことです。

 ITを使って効率を上げることができるにもかかわらず、かえってそれが
コミュニケーションを阻害したり、仕事の効率を下げたりすることになって
いる場合が多いのは、どこの会社でもあることのようです。

 そうならないためのルール作りなどの対策が確かに必要だと、わたしも
感じており、現在就業規則の改訂作業をすすめています。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 09:39Comments(0)

2009年03月18日

喫煙者率低下

 日本たばこ産業の「全国たばこ喫煙者率調査」によれば、2008年現在の
わが国成人の喫煙者率は、男性が39.5%、女性が12.9%で男女計では
25.7%となっています。

 これは過去最も高かった1966年の喫煙者率男性83.7%、女性18.0%
に比較すると、男性が半分以下の44.2ポイント、女性が5.1ポイントの低下
となっています。

 男性は、20歳代から60歳代まで軒並み低下しており、男性の喫煙者率低下
は全般的現象といえます。

 一方、女性の場合は、40歳代が低下しているものの、20歳代が10.6から
18.1%と逆に増加し、30歳代も14.3から19.3%へと上昇しており、女性
の若年層の喫煙者率の増加は全体の低下幅を小さくしています。

 以前、「たばこは動くアクセサリー」などとテレビコマーシャルでいっていました
が、たばこがカッコイイと思う若い女性が増えているのかもしれません。

 一方、男性はたばこがやめられない男はカッコワルイという感じになっているの
ではないでしょうか。

 たばこは、カッコイイとかカッコワルイとかいう以前に、からだには大変悪いもの
であることはあきらかですから、さっさとやめたほうがいいと思います。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 19:15Comments(0)

2009年03月16日

味の素は途上国へ

 今朝の日経MJに、途上国に根付く「味の素」という記事が載っています。
 
 「ナイジェリアでうま味調味料「味の素」が売れている。味の素は現在九十カ国で
売られており、ナイジェリアの消費量はタイ、ベトナムに次ぐ世界第三位」とのことで
す。

 味の素はキッコーマンやヤクルト本社と並び、日本の食品産業で数少ないグロー
バル企業のひとつ。1960年代から東南アジア市場に本格進出し、「現地に密着し、
小売店に現金で現物を直接販売する」という「三現主義」を基本に、発展途上国を
中心に新市場を切り開いてきた。

 「政情不安などを抱える発展途上国の営業は文字通り命懸け。世界各地で商魂
たくましい中国人商人らと渡り合わなければならない」とのことです。

 「言葉も通じず面倒くさいからと、海外旅行を敬遠する若者が増えているニッポン。
国外に活路を見いだそうとする食品各社は今後、人材確保に苦労するかもしれない」
と書かれていました。

 わたしも、以前、といっても、もう考えてみたら20年も前ですが、タイのチェンマイの
山奥の小さな村で、あの懐かしい日本の「味の素」のビニール袋入りの多分、1キロ
入りのものを見て、驚いたことがありました。

 日本の「味の素」は、こんなところまで来ているのかと少し感動したのを憶えています。

 それにしても日本の最近の若者は、海外旅行にも「めんどくさい」から行きたがらない
そうですが、当社でも東京営業所へ配属をされた新入社員が広島勤務でなければいや
だったようで全員辞めることになってしまったことがありました。

 わたしなどは、東京や海外など行ける機会があったらよろこんで行っていましたが、そう
でない人に対してはどう対処すべきかいつも悩んでしまいます。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 09:04Comments(1)

2009年03月13日

立ち仕事で効率化

 椅子をなくして立って仕事をするようにして業績を伸ばしている会社があります。

 キャノングループのキャノン電子では、すべての会議室から椅子を撤去し、会議は
立ってするのはもちろん、工場や工場の管理部門などでも仕事は立ってするように
したことで、生産効率はあっという間に当初の二倍になり、さらにいまでは八倍に
近づきつつあるそうです。

 椅子をなくすことにより、フットワークが良くなり、その結果、社員同士のコミュニ
ケーションが密になったことが、生産性を押し上げた一番の要因であったようです。

 また、社員がパソコンで遊んでいる無駄な時間を一掃し、パソコン使用のルールを
明確にしたことで、生産効率の大幅な改善とともに情報漏洩対策などのセキュリティ
アップにもつながったそうです。

 以下、「キャノン電子社長 酒巻 久 著 「椅子とパソコンをなくせば会社は伸びる!
祥伝社 発行」から少し引用しましょう。

 俗に、「役員会議で起きているのは社長と発言者と議事録係だけ」と言うが、私の
経験から言っても、それは真実に近いものがある。大きな声では言えないが、キャノン
本社の役員時代、私も自分の発言の番が来るまではよく寝ていた。
 その点、立ちスタイルだと緊張感があって、居眠りなどしているひまはない。下手に
居眠りなどしようものなら、その場にカクッと膝から崩れ落ちてしまうだろう。
 何よりいつまでも立ちっぱなしは嫌だから、意見も質問も活発になる。
 率直に議論し合い、素早く結論を出す。
 立ち会議にしたことで、俄然、集中力が高まったのだ。(50ページ)

 椅子がなくなったのは、実は会議室だけではない。
 社長室にもなければ、設計や人事など一部の部署を除けば、間接部門にも生産部門
にもない。ほとんどの社員が立ったままだ。
 そして工場のフロアの一角など社内には至るところにゲタ履きのテーブルとホワイトボ
ードが置かれ、ちょっとした打ち合わせが立ったままできるようになっている。(52ページ)

 椅子をなくして立つことのメリットは、会議時間の短縮や現場における問題解決の精度
やスピードアップといった直接的な生産効率の改善にとどまらない。ほかにもさまざまな
果実を会社組織にもたらしてくれる。
 たとえば、
 
 ?椅子代が激減する
 ?椅子をなくした分だけスペースの節約になる
 ?新聞が速く読める
 ?社員が健康になる

 ?については少し説明が必要だろう。
 「立ちっぱなしなのに社員が健康になるってどういうこと?」
 不思議に思われる方も多いと思う。確かに最初のうちは、膝が痛い、腰が痛い、足がむ
くむ・・・・・等々、「疲れる」という声が多かった。
 ところが二週間ほどすると、そうした不満の声がだんだん聞こえなくなった。立つことに
慣れたせいだろうと思ったが、それだけではなかった。
 ある日、食堂でお昼を取っていると、五〇代の女性社員がやってきて、ニコニコ笑いなが
らこう言うのだ。
 「実はこの一年ばかりひどい腰痛に悩まされていて、いつ辞めようかと思っていたんです。
ところが立ち作業になってから、腰の痛みがどんどん軽くなって、いまではうそみたいに楽に
なったんです。これなら定年までいられますので、どうかよろしくお願いします。」
 そのときは、「へえ、そんなこともあるんだなあ」と思う程度で、さして気にも留めなかったの
だが、その後あちこちから「腰痛が治った」という声が聞こえてくるようになった。
 椅子は正しい姿勢で座らないと腰痛の温床になりやすい。それを知らずに腰痛を悪化させ
ている人が少なくない。
 「そんな人が長時間立ち続けたら、かえって腰に悪いのではないか?」
 普通ならそう考える。しかし実際には、悪くなるどころかよくなる人が多かった。これは思うに、
長時間立ち続けるには、背筋をピンと伸ばした正しい姿勢を取る必要がある。背中を丸めるよ
うに立っていたら辛くてしょうがない。立っていて楽な姿勢は、イコール正しい姿勢なのだ。そし
て人は無意識のうちに正しい姿勢を取ろうとする。
 そうすることで自然と骨格の歪みが修正され、積年の痛苦を取り去ってくれたのではないかと
思う。立ちながら正しい姿勢へと微調整を繰り返す動きが、結果的に「セルフ整体」のような作用
を起こしているのではないだろうか。
 よく知られているように骨格の歪みを矯正することは、内臓などの働きも改善する。ひょっとして
それがデータで検証できないかと思い、社員の健康診断の数値を調べてみた。
 すると思ったとおり、血圧の平均値が下がっていることがわかった。椅子をなくして立ち作業に
変えたら社員が健康になった、ひとつの証拠である。(62〜65ページ)

 また、パソコンについては、

 パソコンは使い方一つで「怠惰の隠れ蓑」になる。
 そのことを熟知していた私は、キャノン電子の社長に就任してすぐに、すべての社員のパソコン
の操作履歴を時系列にとって分析してみたが、案の定、業務外利用がボロボロ出てきた。わけて
も衝撃的だったのは、「キャノン電子で一番優秀」と評判の女性が、実に勤務時間の九割をパソコ
ンで遊んでいたのが発覚したことだった。
 この女性は、ウェブ上に自ら美術評論の掲示板を立ち上げ、主催者として管理していた。彼女は
それを勤務時間中にずっとやっていたのだ。
 ネット上で美術サークルを主催できるだけの知識や行動力があるなら、それは本来、仕事で活か
されるべきだ。
 「なぜ、あなたのような優秀な社員が、一日中、そんなことをしていたの?」
 私は彼女に理由を尋ねた。
 すると彼女は泣きながらこう訴えた。
 「私だってもっと仕事がしたいんです。でも仕事がないんです。私の仕事は、一時間もあれば終っ
てしまうんです・・・・・」
 つまり、彼女がパソコンで趣味の世界に没頭するようになったのは、彼女の能力に見合う仕事を
上司が与えなかったからなのである。私は有能な部下を使いこなせなかった上司を更迭した。そし
て彼女は別の部署に異動させ、反省を促した。

 上司に管理能力がない場合、部下は有能であればあるほどパソコンで遊ぶ。これは紛れもない
事実である。
 優秀な女性が遊んでいる会社は、利益率が一パーセントを切るような儲かっていない会社が多い。
それはつまり、優秀な女性を使いこなせないような無能な管理職しかいない証拠なのだ。
 人材をムダに飼い殺しにするような会社に、儲かる経営などできるはずがないのである。

 キャノン電子ではその後も部署ごとに定期的にパソコンの操作履歴をチェックしている。これは定期
的にやっていると社員に知らせる必要がある。実際にはやっていなくても、「定期的にやっている」と
言い続けることで、アナウンス効果が働き、相当の抑止効果を発揮するからだ。
 履歴のチェックは、社長である私の専任事項である。実際には信頼のできる技術者を数人集めて
特命チームを作り、その任にあたらせている。(108〜110ページ)

 ・・・・といったなかなかおもしろい内容でした。

 私も、早速、自分の机にゲタをはかせ、30センチほど高くして、今日から立って仕事をすることを
始めてみました。ウエイトコントロールにもいいのではないかと思います。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 18:09Comments(4)

2009年03月11日

捨てられている食品

 日本で1年間に捨てられている食品は、2154万トン、金額にすると約10兆円に
なるそうです。これは、農林水産省と環境省が試算した2002年度の日本での食品
廃棄量で、お金に換算すると、10兆円になるということです。

 その一方で、同じ年に世界各国から発展途上国に援助された食料は830万トンに
過ぎないそうです。

 つまり、「日本」で捨てられている食品は、「世界」各国が援助している食品の3倍に
近いということです。

 これは、たいへんもったいない話で、このような廃棄される食品をなんとか活かそうと
する活動があります。それが「フードバンク」です。

 この活動は1960年代にアメリカ・アリゾナ州で始まりました。スーパーなどが大量に
廃棄する食品を寄附してもらい、福祉団体などに無償で配付したのがきっかけです。
 現在も200以上の団体が活動しています。

 日本ではNPO法人「セカンドハーベスト・ジャパン(略称 2HJ  理事長チャールズ・
E・マクジルトン氏)が2002年からその活動を始めました。

 2HJが扱っている食品は、お米やパン、めん類などの主食、副食品、野菜や果物など
の生鮮食品、味噌やケチャップなどの調味料、インスタント食品、お菓子や飲み物などで、
基本的には賞味期限が切れていなくて安全できちんと食べられるものです。

 このような食品を企業が廃棄するのは、パッケージの印刷にあやまりがあったとか、
貼ってあったシールに問題があったとか、中身には問題がなくてもケースが破れていた
とか、缶詰にへこみがあるとかといったことで、なかには保管期間が過ぎた防災用食品
セットなどもあったそうです。

 これらの食品を企業から預かって、福祉施設などに無償で届けるということが2HJの
活動で、スタッフは10名、事務所の他、倉庫や冷凍冷蔵庫があり、冷凍車を含むトラック
4台を持っています。

 その他の活動としては、毎週土曜日に上野公園でホームレスへの炊き出しを行っていま
す。毎回500食作るので朝からでは間に合わず、前日から下ごしらえをしています。

 また、ハーベストパントリーと呼ばれる緊急配食センターに月に2回程度、定期的に必要
な食品を送り、高齢者や母子家庭の人が食べるものがなくなったときに食料を取りに行け
るようにしています。

 また、昨年の2月24日には、20名くらいのボランティアが畑一面に放置されている大根
の収穫をしたそうです。4トンほどでしたが、すべて、3日以内に福祉施設などへ配られた
そうです。

 セカンドハーベスト・ジャパンは
 〒 111−0053東京都台東区浅草橋4−5−1水田ビル
 TEL 03−3838−3827  FAX 03−3863−4760
 http://www.secondharvestjapan.org/

 そのほか、たった一人でフードバンクを始めた主婦の奥平さんは自宅を倉庫に活動して
いるそうです。今では仲間が22名、これまで10トン以上の食品を配送してきました。
 
 フードバンクセカンドハーベスト沖縄 TEL 070−5533−4787 です。

 以上は、「サインズ 2009年4月号 福音社 発行」の22〜27ページ「フードバンクと
いう活動」という記事の紹介でした。

 当社も宿泊施設の開設を計画していますので、これと同じような活動を広島でもできれば
やりたいと考えています。

 では、また。
  

Posted by 富田昭生 at 17:14Comments(1)

2009年03月11日

高級ホテル大不況

 今朝の日経流通新聞に、「高級ホテルサバイバル」と題した記事が1面に載って
います。
 
 円高の影響もあり訪日外国人、特に欧米ビジネス客が急減し、高級ホテルの経営
環境は厳しさを増している。割安感を打ち出して幅広く客を集めるのか、ブランド維持
のためにサービス拡充でしのぐのか・・・・・。高級ホテルの生き残る道は狭そうだとの
ことです。

 1月の訪日外国人数は前年同月比18.4%減の58万1千人。昨年8月から6ヵ月
連続の減少で、11月以降は2ケタ減と大きな落ち込みが続いている。

 特に米国は12.7%減、英国は10.5%減で、それが直接ホテル需要に反映され
た。

 稼働率の低下に歯止めをかけるため、多くのホテルが大胆な値引きを断行、「客室
単価は既に底に近い」との見方もある。ただ、需要回復に見通しがたたない今、集客
力を高められなければ、さらなる料金引下げも避けて通れないかもしれない・・といった
状況のようです。

 このような状況への対応策としては、料金を値下げして稼働率アップを目指すか、
料金値下げを避けて、少ない客に対してサービスを充実させながら、一方ではコスト
を削減して耐え忍ぶかという二つの選択のうちのどちらかでしょう。

 ユニクロが990円のジーパンを発売するそうですが、ユニクロのようにまずまずの
品質を維持しながら、このような超破格値を実現するといった強靭な体質を、高級ホ
テルは持ち合わせていないので、これらの高級ホテルの経営はたいへん厳しいこと
になりそうです。

 しかし、ホテルもユニクロのように、まずまずの品質を維持しながら超破格値を実現
できれば、むしろこの円高と不況を追い風にできるのではないでしょうか。

 それは、当然高級ホテルにはできないことですが、われわれの計画しているホステ
ル・アンド・ファミリーホテルならできるのではないかと思っています。

 そのためには、徹底的にローコストでいかなければならないということです。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 09:17Comments(0)