2009年03月25日

キャノンの三自精神

 以前にも紹介した、キャノン電子社長 酒巻 久氏の本の中に、キャノン伝統の
「三自の精神」と題してこんなことが書いてありました。

 「三自とは「自覚、自発、自治」のことで、「社員は自分の立場や役割を自覚し、
何事も進んで行動し、自分のことは自分で管理すべし」という意味である。
 それは一言で言えば、「自分で考えてやりなさい」ということだ。
 そこにあるのは、「基本は自己啓発であり、仕事の場こそが育成の場である」、
という根本思想だ。自ら求めて成長したいという意欲がないところに教育の入り
込む余地はないし、机上の10のシミュレーションより、一つの現場を実践するほう
がはるかに勉強になる。」(166ページ)

 そのほか、キャノン電子の昇進のための九つの条件とは、

 「?対人関係に優れ、?まとめる力があり、?組織全体の使命のために献身し、
?チームで働くことができ、?コーチを務め、?反省し、?他人の意見を受け入れ、
?かつ意見を言い、?社員の努力を助ける」ということであり、さらにリーダーに
必要な三つの資質としては、

 「?自己犠牲の精神をもっている

 リーダーには自己犠牲の精神が絶対に欠かせない。
 たとえば、組織として何かを達成しようと思えば、部下の気持ちを一つに束ね上げ
て大きなエネルギーを作り出す必要がある。そのために代償が必要であれば、率先し
てリーダーが払わなければならない。その勇気を示すことによって、初めて部下の信頼
が得られるのだ。
 この自己犠牲の精神なくして、職場の改革改善など遂行できるはずがない。リーダー
が自ら犠牲を払ってこそ、部下も進んで組織のために貢献するようになるのだ。
 自分を犠牲にして社員のため、会社のために100パーセント尽せない人間にリーダー
となる資格はない。

  ?問題の抽出能力に優れている
 新入社員のプロとしての心得のところでも述べたことだが、問題の抽出能力に優れて
いることは、リーダーとしての必須の要件である。
 それはつまり、一見するといつもと変わらぬ安定した状態のなかに異変の兆候を察知す
る能力である。変化を読み取る高感度のセンサーの持ち主と言い換えてもいい。

  ?自分の弱点を知っている
 自分の得手不得手を知ることも経営者の重要な資質である。たとえば、いまは亡き本田
宗一郎さんは根っからの技術屋さんで、経理などはあまり得意ではなかった。本田さんは
そのことをよく自覚していたからこそ、そうした不得手な面は有能な輔弼(ほひつ)役、藤沢
武夫さんにサポートを託した。」(235〜238ページ)ということだそうです。

 特にわたしは、自己犠牲の精神と問題の抽出能力、つまり問題発見能力や質問力など
が重要だと思います。

 これは、その人の感性やセンスといったようなことにも大いに関係するものだと思います。


 では、また。

Posted by 富田昭生 at 13:16│Comments(1)
この記事へのコメント

富田さん書き込みありがとうございました。広島にも遊びに行きたいと思いますがなかなか足が運べず申し訳ありません。いつの日かお邪魔できるよう心がけたいと思います。あと報告ですが、小職7月より3年間お世話になったサンディエゴに別れを告げブラジルへ横赴任する予定です。また面白い話があると思いますので報告させて貰います。
Posted by ha_genz at 2009年03月30日 15:43
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