2007年09月03日

フット・ヘッド・ハートワーク

 今の時代は、経営に必要とされるものは、「フットワーク」、「ヘッドワーク」から「ハートワーク」へと進化してきているそうです。

 機敏に変化に対応し、課題に対してスピーディーに行動するという「フットワーク」や、顧客の「不平」「不満」「不安」「不快」などの「不」を取り除き、それをいかにして自社独自のものとして商品化するかを徹底して、「考える」だけでなく、「考え抜く」ところにまで至る、「ヘッドワーク」からハート、「心」が重視される時代です。

 つまり、「足」、「頭」から、「心」(ハートワーク)へというわけです。

 自分自身の良心に恥じない「良心経営」であり、さらに進んで、他人の心を常に意識した思いやりの経営、「善意経営」です。

 成功する企業経営は、結局は人の心に訴える善意や良心、あるいはそれを継続、継承する意志や信仰といったものによって実現されるということでしょう。

 メンソレータムで有名な、近江兄弟社の創設者ウィリアム・メレル・ヴォリーズは、近江商人の商法理念の一つである「陰徳善事(人知れず社会のために尽くす)」をクリスチャン的視点から実践した人です。日本に帰化して、一柳米来留(ひとつやなぎ・めれる)と名乗り、近江八幡の地に建築や製薬の事業を起こしましたが、自らは私有財産は一切持たず、質素倹約の生活をしたそうです。

 建築作品は、関西学院、神戸女学院、同志社、明治学院などのキリスト教系の学校、大同生命、大阪の心斎橋大丸、主婦の友社、山の上ホテルなど、その数は1600にも達しているそうです。

 経営にとって、時代は「ハートワーク」へ向かっているというよりも、昔も今もそれは変わっていないというべきでしょう。

 では、また。  

Posted by 富田昭生 at 21:20Comments(3)